結婚したことのないわたしが、えらそうなことを言ってはいけないかもしれませんね。
なので、直接話したことも、実際に文句を言ったこともありませんが。
結婚式場でのハプニングは、出席している側にとっても、けっこうストレスになったりするものなのです。
それを、出席したもの同士で、愚痴りあったりしてしまうと、それ以上に気分の悪いものになってしまうので、気をつけています。
なので、こうやって、吐き出したりしているんですけどね。
一番、あとあとまで気になってしまうのが、あきらかに安くすませようという結婚式なのですね。
包んできたご祝儀の、3分の1も返してもらっていないのかも、というものもありました。
出される料理も、お弁当のちょっといい程度のものが最初に出されただけで、あとは、ご飯とお吸い物。
会議室で使うような長テーブルに白い布をかけただけの会場。
飲み物も最初のビールだけで、あとはお茶でした。
それほど節約するなら、親戚だけの結婚式にすれば良いのにな、なんて、思ってしまいました。
問題の彼女の結婚式。
初めはスムーズにことがすすんでいたのです。
もともと美人な彼女ですから、ウェディングドレスでのお迎えは最高に輝いていました。旦那さまとなる彼も、いつもと全く違った雰囲気で、みるからにお似合いのカップル。
優柔不断な雰囲気もなく、どちらかと言えば、頼りになるようにも見えました。
会場の中も、飾られているお花や装飾品、運ばれてくる料理も、普段出席する結婚式とは格が違うことが見に見えてわかりました。
結婚式での予算をけずりまくってしまうと、どうしても会場内が寂しいというか、閑散とした雰囲気になりますからね。
会場の中の色が少なくなるというか。
あれって、いちいちオプションとした金額がかかっているのではないでしょうか。
さて、そんな出来た会場での最初のハプニング。
お色直しに一度退座した新郎新婦なのですが、アナウンサーが、
「さて、みなさま。」
と、お色直しを終えて、さも入場してくるような紹介を始めたのです。
思ったより早いなぁ、と思い、会場後ろに目をやると、あたふたした雰囲気のスタッフ。なんだか、扉の向こうを覗きこみそうな雰囲気にも見えましたが、その後ろの扉にライトが当てられ、仕方なく両サイドからスタッフが扉を持っていたのです。
不慣れなのか、最初から明るい声でなく、まるで無表情でニュースを伝えるような声で、新郎新婦の入場を知らせる声。
大きな拍手とともに、開かれる扉。
その扉の向こうに、綺麗にお色直しされた新郎新婦が・・・。
いなかったのです。
拍手がやみ、どよめく会場。
後ろの扉を照らしたライトがなんとも言えず、寂しい雰囲気になっていたのです。
そんな中、照明の落とされた、暗い雰囲気の司会者のもとへ、かけつけたスタッフがなにやら耳打ちしているのを、わたしは見逃しませんでした。
どうやら、スタッフからのサインを見間違えたか、覚えられなかったようです。
これが最初のハプニングでした。 |